LE T-SHIRTS
天竺とは、日本語でインドのことを指す。なぜこれがコットンの一種の名称になっているかというと、元はインドから輸入されていた経緯から。天竺=平織のコットンはカットソーに広く用いられるポピュラーな生地。最も普遍的で合理的な服、Tシャツの原材料と言える。
Tシャツはとてもシンプルで、それでいて奥の深い道具だ。けれど、細かな違いはぱっと見ではわからない。もしあなたがTシャツの違いについて考え、吟味し、自分にとって最適な一枚を選ぼうと考えるなら、LEの天竺Tシャツが一つの候補になるだろう。
最大の特徴は、9のサイズバランス。
STANDARD⇨WIDE⇨EX WIDEという三つの身幅に、
1⇨2⇨3という着丈の組み合わせ。
Tシャツは誰もが袖を通す道具だからこそ、LEではさまざまなスタイル、体型、嗜好に沿うものを作った。
「誰にでも似合うものを」というだけではなく、Tシャツの機能や美しさについて突き詰めてみると、サイズの展開が重要な要素として残った。例えば着丈が1で身幅がEX WIDEであれば、独特のドレープ感が楽しめる。ジャケットの中に着るなら身幅は細くしたい。Tシャツは日常を支える道具だから、さまざまな用途に応えられるべき。そしてその違いを一覧し、「選べる」ということが、服の楽しさを支えてくれる。
カラーは、ホワイト、ブラック、グレー、ネイビー。
基礎としての白と黒は真っ当に。中間色であるグレーとネイビーは、無限のバリエーションの中で、他にはなく、けれど日常的に身につけたくなる点を探った。
特徴的なディテールは襟首。シャツの襟元から覗いても、一枚でも、どちらでもさまになるバランスの襟はとても難しい。苦しくなく、けれど美しくフィットする塩梅。その上伸びにくいように。Tシャツは必ず消耗する。特にそれが著しいのは襟で、だからこそこだわった。
もう一つ。袖と裾が天地引きによるシングルステッチであること。それはヴィンテージのTシャツを判別する象徴的なディテールで、主に90年代前半まで用いられていた。独特の糸の見え方とは裏腹に、現在一般的に用いられる2本針平縫いよりも横方向の強度が高い。だが、熟練した技術と専用のミシンがないときれいに縫えず、合理性で考えれば選択しにくい。では、なぜこのディテールか?「この糸のポツポツした感じがいいんですよね」とは、金子の言葉だ。
毎日袖を通すTシャツをどう選ぶか。極めてシンプルで、奥の深い面白さがそこにある。微妙で、されど確かな違いを着比べることからまず始めてみてほしい。
Credits LE T-SHIRTS ¥6,300+tax